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テクニカル指標における平均

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前回のテーマはオシレータ系指標における先行表示がテーマでしたが、「先行させる」という考え方はテクニカル指標を設計する際に重要な技法のひとつです。他にも重要な技法は色々とありますが、最もよく使われ各種テクニカル指標の計算過程のどこかで使われていることが多い技法に移動平均があります。

 

テクニカル指標における平均

移動平均と聞くと、単純移動平均や指数平滑移動平均(EMA)など移動平均の種類やどの価格を適用するのかといった部分に目が行きがちですが、本質は「均す(ならす)」というところにあります。当たり前と言われればそうなのですが、動きが大きい元の数値の平均を取ることで見やすくしているわけです。

ひとつ例をあげるとストキャスティクスの元の数値は%Kですが、敏感な動きをするために%Kの平均を取った%D、さらにその平均を取ったSlow%Dの3つの線から、%Kと%Dを使うものがファースト・ストキャスティクス、%DとSlow%Dを使うものがスロー・ストキャスティクスと呼ばれます。

ストキャスティクス自体にも「一定期間における高値と安値を基準に現在値がどの位置にあるのかを決定する」という重要な技法がありますが、これは別の機会に紹介することにします。今回はストキャスティクスの中に平均とそのまた平均という2回平均するという考え方が含まれているという事実に注目してください。

移動平均の移動平均

ここで5日移動平均を考えてみます。5日間の平均ですと期間が短いため実際の値動きに近い=追従性が良いというメリットと、動きが敏感=ダマシが多いというデメリットが共存します。一般的には期間を長くするという方向に行きますが、上記のSlow%Dのように5日移動平均の平均を取るという考え方もあります。

次のチャートをご覧ください。

5日終値単純移動平均(青)とその3日移動平均(赤)、さらにその3日移動平均(緑)と移動平均の移動平均の移動平均と3回移動平均を求めたチャートです。

5日移動平均の3日平均の3日平均ですから、元データは5期間ですが実際には11期間のデータを用いていることと同じです。そこで11日単純終値移動平均もピンクの点線で表示しました。

見ればわかりますが、元の移動平均はデコボコした曲線ですが、それを均すことで滑らかな曲線とさり、それを更に均すとかなり滑らかな曲線を描いていることがわかります。その時の値動きによって細かな違いは出てきますが、一般的に3回均す加工を行った移動平均は長期で加工しない移動平均に比べて追従性が良くなることが多いと言えます。

これは緑の3回均した移動平均線(5,3,3)とピンクの11期間移動平均線を比較するとわかりやすいですが、移動平均線がワークしやすいトレンド相場において、前者の方がローソク足に近いところに位置するため、よりローソク足と移動平均線との位置関係で上下の方向性を判断しやすいと言えるでしょう。

TRIX

こうした3回の移動平均を利用したテクニカル指標にTRIXがあります。TRIXは上記の考え方を応用したものですが、移動平均の移動平均の移動平均を求め、その値を前日の値と比較することでオシレータ系指標にしたものと言えます。

MT4のテクニカル指標でTRIXを検索すると、そのTRIXのさらに移動平均(4回目)を求めそれをシグナルラインとして表示したものがヒットすると思います。ちょうどMACDにおけるMACDとシグナルとの関係のようなものです。

実際にTRIXの指標を出してみましょう。


見た感じMACDにそっくりですが、赤いラインがTRIX(ここでは5期間を3回均している)、青いラインがその3期間平均を取ったシグナル、また2つのラインの差をヒストグラムとして表示しています。TRIXとシグナルとがクロスする(=ヒストグラムが0ラインをクロスする)位置に売買の矢印まで付加されていて随分と親切な作りです。

このTRIXに限らずですが、MT4ではPrevious Indicator’s Dataを適用価格とすることで何度でも移動平均を繰り返すことが可能です。皆さんがお気に入りの指標をこのように複数回均すことで、別の視点でそのテクニカル指標を見ることが出来るかもしれませんね。

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。また、FXTFでは「ライブラリ」機能のサポートは行っておりませんので予めご了承下さい。ご利用の際はご自身の判断でお願いいたします。

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ビル・ウィリアムスの指標から(2)

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9月18日のブログではMT4標準装備のインディケータのうち、特別扱いされているビル・ウィリアムスのテクニカル指標から「フラクタル」と「アリゲーター」を取り上げました。ビル・ウィリアムスの指標ではオシレータ系の指標も多く、今回は3つのオシレータについて簡単に見方を解説しておきたいと思います。

今回は全てドル円日足チャートを例に同じチャートを見ながら3つのオシレータの状態を比較してみましょう。

ゲーター・オシレータ(Gator Oscillator)

まず、「ゲーター・オシレータ」ですが、このオシレータはアリゲーターで表示される3本の移動平均線の収束と拡大を見やすくした上で、方向性を示すオシレータとなっています。

このオシレータは、アリゲーターで使われる3本の移動平均線を(長期-中期)と(長期-短期)の2つの要素に分け、その値幅をゼロラインを中心として2つのヒストグラムで表示しています。この2つのヒストグラムはどちらも緑が上昇トレンド、赤が下降トレンドを表していますが、上側は長期トレンド、下側を短期トレンドとしています。

上側が緑の間は上昇トレンド、その間に下側に赤が混ざるとトレンド変化の兆しといった見方でよいのですが、不思議なことのこのゲーター・オシレータはビル・ウィリアムスの著書では初版、改訂版ともにチャートが1枚あるだけで解説がなされていません。おそらく、アリゲーターそのものを見れば十分と考えていた節があり、著書内では以下に紹介する2つのオシレータのほうがよく使われています。

オーサム・オシレータ(Awesome Oscillator)

この「オーサム・オシレータ」はMACDのバリエーションと考えてよいです。アリゲータ同様に計算のベースが終値ではなく、高値と安値の中間値であるミッド・レートを使っている単純移動平均線を使っていること、期間が5期間と34期間の差であることが違いと言えます。

このオシレータはヒストグラムとして表示されていますが、上記の通りMACDラインと同等です。見方もゼロラインのクロスをもって上抜けが買い、下抜けが売りと似た考え方です。しかし、もうひとつ重要なポイントがあります。ラインの傾きの変化です。ラインの傾きが変化すると色が変化していることが見て取れます。

この色の変化によるトレンドの変化のほうが私自身としてはよっぽど重要と思います。つまり、ラインが下降から上昇に転じたら緑となって上昇トレンド、上昇から下降に転じたら赤となって下降トレンドを示しているという見方をします。この「傾きの変化」はテクニカル指標の分析において非常に重要な考え方で、随分と前になりますが、商品先物でこの傾きの変化だけで勝ち続けていた時期がありました。

傾きの変化は平均線のクロスやゼロラインのクロスといった要素よりも、より敏感に反応しトレンド変化の初動を捉えることができると考えてください。

アクセラレーター・オシレータ(Accelerator Oscillator)

この「アクセラレーター・オシレータ」は、先ほどのオーサム・オシレータから5期間ミッド・レート単純移動平均線を引くことで求められます。イメージとしてはMACDを2回繰り返して求める指標といえます。前回、移動平均の移動平均といった考え方を書きましたが、ここではやや複雑にMACD(移動平均の差)のMACDという使い方です。

読み方はオリジナルは以下の通りです。
・ゼロラインより下側で緑のラインが2本続いたら次の足で買い
・ゼロラインより上側で赤のラインが2本続いたら次の足で売り

ここでも色自体の変化は「傾きの変化」です。傾くの変化が出てさらにもう1本様子を見るというのが、このオシレータの考え方です。傾きの変化だけではダマシになることがあるので、若干遅れてもダマシを減らす方を採用したと言えるでしょう。

今回も重要な考え方がいくつか出てきました。その中でも最重要なのが「傾きの変化」、そしてダマシを減らすための「2本連続」です。これらの考え方は他のテクニカル指標にも応用できますので、他の指標でも是非お試しいただきたいと思います。

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。また、FXTFでは「ライブラリ」機能のサポートは行っておりませんので予めご了承下さい。ご利用の際はご自身の判断でお願いいたします。

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ストキャスティックRSI

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テクニカル指標の計算における考え方として、移動平均線のように「均す」という考え方は非常に重要なものであることは、これまでにも何度も書いてきましたが、もう一つ優れた考え方に「期間内の位置を知る」という考え方があります。これはストキャスティクスに代表される考え方なので、今回はストキャスティクスの構造から見ていきましょう。

ストキャスティクス

ストキャスティクスはレイン氏が考案したテクニカル指標で、「一定期間の最高値と最安値を基準に終値がどの位置にあるかを数値化」したものと言えます。レイン氏オリジナルの計算ではこの最高値と最安値は終値における最高値と最安値を使っていますが、MT4のストキャス
ティクスでは終値を使う方法(Close / Close)と実際の最高値と最安値(High / Low)を使う方法の2つを選ぶことが出来るようになっています。

傾向としては、下のチャートを見るとわかる通り、終値における最高値と最安値を使った方(下段)が、実際の最高値と最安値を使う(中段)よりも変化が急激になりやすいということが言えます。

さて、ストキャスティクスの計算に話を戻しますが、どちらの値を使った場合でも計算式は以下のようになります。

 

 %K={(終値-最安値)/(最高値-最安値)}×100

 

%Dは%Kの平均ですし、Slow%Dは更にその平均(ここでも平均の平均という概念が使われていますね)ですから、ここでは考えずに上の%Kをご覧ください。

終値から最安値を引くことで、現在値(終値)の最安値からの値幅を知ることが出来、最高値から最安値を引くことで一定期間の最大値幅を知ることができます。さらにそれを割ることで0~1の間の数値として現在値を捉えることが出来るわけです。(最後の100倍は単に%表示のため)

この概念は、その後の多くのテクニカル指標の計算に影響を与え%から始まる派生指標が数多く誕生したことは以前もお話ししました。さて、この%Kではあくまでもレートを使っていますが、そもそもレイン氏がストキャスティクスを開発する原点にはRSIよりも使い勝手が良いオシレータ系指標を作ろうという考えがあったはずです。

ストキャスティックRSI

そこで、また新たな考え方が出てきますが、終値や高値・安値ではなくRSIという相場の強弱を示すテクニカル指標をストキャスティクスの計算に用いたらどうだろうと考えた人がいてもおかしくはありません。これを考えたのは、シャンデ博士です。シャンデ博士は今となっては古典に含まれるのでしょうが、当時1990年代前半を中心に多くのテクニカル指標を開発しました。アルーンが一番有名だと思いますが、どれもややマニアックであまり一般的ではありません。

ストキャスティックRSIのような指標を組み合わせる指標も多く、通常 ”Indicator of an Indicator”( テクニカル指標のテクニカル指標)と呼ばれます。MACDはEMAの差とその平均ですから無意識に指標の指標を使っているケースでしょうか。このストキャスティックRSIは標準では入っていませんが、検索するとすぐに出てきますので、まずはStochastic RSIとmq4をキーワードに検索して入手してみましょう。

 

Stochastic RSIを先ほどと同じドル円1時間足に表示してみます。

このストキャスティックRSIでは上下の数値が-1~+1となっていますが、0~100を取るものもあり、どちらかというと0~100のほうがストキャスティクスの計算的には本来の表示方法と言えるでしょう。使い方はストキャスティクスと全く同じで、買われすぎゾーン(通常80、上記チャートでは+0.6)と売られすぎゾーン(通常20、上記チャートでは-0.6)における2本のラインのゴールデンクロス・デッドクロスを見たり、ダイバージェンスを見たりといった具合です。

ストキャスティックRSIは終値ではなく上昇・下降の勢いを使っての現在値を求めていますが、結果的には通常のストキャスティクスと同様の使い方が出来、かつ通常のストキャスティクスよりも見やすくなるという評価が一般的のようです。どちらが良いかは皆さんが試して決められると良いかと思います。

今回のストキャスティックRSIは、前回の「トレードパーティー」の番組内でのリクエストにより題材としてみました。番組で興味のあるテーマがありましたら、また次回放送でお寄せいただければと思います。

 

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アルーン

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前回は、シャンデ博士が開発したストキャスティックRSIについてでしたが、シャンデ博士が開発した指標には興味深いものが多く、個人的に「もっとも面白いと思うテクニカル指標はアルーン」です。シャンデ博士と言えばアルーンというくらい有名な指標でもありますので、今回はアルーンを紹介しておこうと思います。

少しだけシャンデ博士について補足しておきますと、国内ではパンローリングから翻訳本として、「売買システム入門」という本が出ています。同書は20年前に出版された本ですが、システム売買を開発する人にとってはバイブルのひとつとして長年に渡って読まれてきた本です。MT4でEAを利用する方もシステム売買の考え方を知る意味で一度は読んでおきたい本であると思います。

アルーン

アルーン(Aroon)の意味はサンスクリット語で曙ですが、中身はRCIとは異なった概念を持つ順位相関係数です。2本の線で構成され、ひとつはアルーン・アップ(Aroon Up)、もうひとつはアルーン・ダウン(Aroon Down)で以下の計算式で示されます。通常14期間を用いることが多いため、14日として説明します。

アルーン・アップ=(14-過去14日間の最高値からの日数)/ 14×100

アルーン・ダウン=(14-過去14日間の最高値からの日数)/ 14×100

例えば7日前が最高値であれば、(14-7)/ 14×100=50とちょうど中央値となります。

ネット上で ”Aroon mq4” とか ”Aroon MT4” といったキーワードで検索すれば、すぐにMT4用のテクニカル指標が見つかると思いますので、まずはアルーンを使えるようにしてください。同様にアルーン・オシレータ(Aroon Oscillator)という指標もありますので、同様に検索してダウンロードしておいてください。こちらは後で説明します。

アルーンのチャートと見方

サブチャートに示されている2つのラインがアルーンです。いったいどう見ればいいのか、と最初は戸惑うと思いますが、トレンドにももみあいにもどちらの判断も可能な優れた敵に勝る指標です。3つのパターンがありますので、順に説明していきます。

(1)エクストリーム

エクストリームというのはトレンドのスタートと継続を判断するアルーンで最も使い勝手のよい見方です。

上昇トレンド

アルーン・アップ(緑)が100になった時点が上昇トレンドのスタートを示し、その後、継続的に70以上で推移している場合が上昇トレンドの継続と判断します。

下降トレンド

アルーン・ダウン(赤)が100になった時点が下降トレンドのスタートを示し、その後、継続的に70以上で推移している場合が下降トレンドの継続と判断します。

強いトレンドの発生

アルーン・アップが継続的に70以上、かつアルーン・ダウンが継続的に30以下の場合は強い上昇トレンドを示し、アルーン・ダウンが継続的に70以上、かつアルーン・アップが継続的に30以下の場合は強い下降トレンドを示します。

例:下降トレンドの典型的な例は、上のチャートの黄色のラインマーカーで示した部分です。アルーン・ダウンが100に到達し、その後は継続的に70以上、さらに途中からアルーン・アップが継続的に30以下となっていて、強い下降トレンドを継続中であることがわかります。矢印でそれぞれのタイミングを示していますので確認してください。

(2)クロス

クロスはアルーン・ダウンがアルーン・アップを下から上にクロスした場合に下降トレンド発生の可能性を示唆し、アルーン・アップがアルーン・ダウンを下から上にクロスした場合に上昇トレンド発生の可能性を示唆します、

例:下降トレンド発生の示唆を、青い矢印で示してあります。今回の下降トレンド発生は強かったため、クロスと同時にアルーン・ダウンが100に到達したことがわかります。

(3)パラレル

アルーン・アップとアルーン・ダウンの両ラインが平行に動いている状態のことでもみあいを示します。エクストリームかクロスが現れるまではトレンドが無いと考えると良いでしょう。

例:チャートの左の方でグレーアウトさせた期間がパラレルの例と言えます。

アルーン・オシレータ

アルーン・オシレータは、アルーン・アップからアルーン・ダウンを引いた値で求められます。売買のタイミングをすぐに見ることが出来る簡易版のアルーンといった押さえでいれば良いと思います。より細かく判断するには上の3パターンを見た方がいいのですが、パッと見てわかるという点では、オシレータの使い勝手はよいです。

また、今回使うオシレータは親切で、エクストリームの部分にヒストグラムで着色されています。このようなオシレータであれば単体で使うのも十分ありだと個人的には思います。

 

サブチャートの上段がアルーン、下段がオシレータです。オシレータ単体の見方としては中央の0ラインを中心に、+が上昇トレンド、-が下降トレンドです。また数値が大きいほどトレンドが強いと言えます。

上の例ではシンプルに青が上昇トレンド、赤が下降トレンド、グレーがもみあい、という割り切った見方をすることが可能です。おそらく、ほとんどの方にはこのオシレータのみで必要十分であると思います。

 

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ストップの手法

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今週はテーマを変えて「ストップの手法」という話です。ストップの手法のうち最も重要なのは証拠金に対する損失額で、これを守らないといくらストップの手法を考えても意味がありません。

1回の取引で証拠金に対して3%の損失額(最大5%未満)を最大損失額とするとすれば、100万円の証拠金残高がある場合、ストップの水準は3万円ということになります。ここでは、3万円という金額のみを前提としていますので、ドル円で取引する枚数が10万ドルであれば30銭となりますし、1万ドルであれば3円です。

取引スタイルに応じて、これから書くようなストップの手法で示される水準にすぐに引っかからない水準となる取引枚数であるべきです。つまり、「ストップの手法による損失額」が「証拠金に対する損失額」よりも少ない状態でないと、手法に関係なく仕切らなくてはなりませんので意味がありません。

古典的なストップの手法

古典的なストップ、かつ結構有効な考え方として「nバーストップ」があります。これは直近n本のバーの最高値・最安値を抜けた時に仕切るというものです。3バーストップで買いポジションを持っているのであれば、現在の更新中の足を含めないで直近3本の安値を下回ったならば仕切るということになります。

この場合、ザラバ(更新中の足の安値が到達した段階)で仕切る考え方と、終値(最終の足が確定し、次の始値が到達した段階)との2つの考え方がありますが、ザラバよりも終値が確定した段階で仕切る手法が一般的と言えます。しかし、その場合でもザラバの安値から終値確定までに大きく動くこともあり得ますので、そうした時には冒頭で書いた「証拠金に対する損失額」を併用し、同水準に到達したら仕切らなくてはなりません。

2つ例をご覧ください。どちらも112.50で10万ドルのドル買いポジションを持っているケースです。冒頭の例をそのまま使い112.20が証拠金に対する最大損失額とします。

(1) 計算によるストップが112.30で最後の足の安値が112.25、終値(=次の足の始値)が
       112.28 →この場合は、計算によるストップである112.30を終値で下回ったので次の
       足の始値112.28で仕切ります。

(2) 計算によるストップが112.30で最後の足の安値が112.18、終値(=次の足の始値)が
       112.28 →この場合は、計算によるストップ112.30だけでなく、証拠金に対する最大
       損失額となる112.20を下回った段階で仕切ります。

ここまでのテーマのイメージはおわかりいただけたかと思います。

ストップの手法

さて、本日のテーマである計算による「ストップの手法」です。計算によるということは、テクニカル指標によるストップの水準を用いるということです。

MT4標準のテクニカル指標からいくつか例をあげると、移動平均線を抜けたら、移動平均線がクロスしたら、といった移動平均線を使う手法や、そもそもストップの水準を示すための手法であるパラボリック(Parabolic SAR)もあります。ここではストップの水準を示すパラボリックについて若干の補足をしておくと、同手法はかのワイルダー氏が開発した一連のテクニカル指標のひとつで、加速係数というやや難しい考え方を取り入れたものです。

ここでは式ではなく、ビットコイン円の日足チャートにパラボリックを表示したものをご覧ください。

青がデフォルトの加速係数0.02(最大0.2)、ピンクがより離れた水準となる加速係数0.01(最大0.1)の例です。加速係数を0.01~0.05程度の間で変化させることでストップの水準とSAR(ドテン)の変化が変わってきますので自身の目で確認してみてください。

シャンデリアストップ

ワイルダー氏は恐ろしく多くのテクニカル指標を開発していますが、ストップの手法も複数開発しています。今回は同氏が開発したストップの手法から「シャンデリアストップ」またの名をボラティリティストップを紹介しましょう。

シャンデリアストップは、パラボリックよりもはるかにシンプルで、かつ中長期のポジション保有に有効なストップの手法です。ここでも細かな計算式は省略しますが、ATR(真のレンジの平均、24時間取引の場合はそのままレンジの平均)をEMA(10~20期間)で求め、その3倍(2.5~4倍)を最高値・最安値に加減することで、ストップの水準を求めることが出来ます。

ここではネット上で検索すると出てくる「ChandelierStops_v1」というカスタム指標を用いてみます。パラメータはATRのEMA期間を14期間、ATRの倍数を4.0として、比較的長期間向けの数値としてみました。

9月6日以降はシャンデリアストップが継続的に上側にある、つまりトレンドは下降トレンドであることがわかります。ストップの水準だけでなくトレンドの確認にも使えます。

 

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アストロカレンダー2019

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「メリークリスマス!」

今日はクリスマスのため東京市場以外の世界の主要市場が休場となることで、一年で最も流動性が低下しやすい営業日となります。東京午後3時以降の参加者はほとんどいなくなりますので注意が必要です。そんな中で、昨夜のNY市場ではダウが大幅安となった影響もあり、連休明けの東京市場では日経平均株価が2万円の大台を大きく割り込み、為替もリスクオフから一段の円高懸念が出てきました。

本日は年内最後のブログとなりますが、いつもとは毛色が変わって明日のトレードパーティーのテーマである金融占星術で考える2019年についての副読本的な立ち位置でお送りしたいと思います。

アストロカレンダーとは

まず、「アストロカレンダー」とは何かですが、これは私のサイトで毎年更新している翌年の為替市場の変化日や注意日を記したカレンダーです。1995年ころから内輪での提供を始め、現在のサイトでは1997年から提供していますので、今回で23年目の更新です。それなりに当たっていますので、国内外でダウンロードされる方も多く、このページだけで週に1000人くらいの方が訪れます。実際の利用者は少ないでしょうが世界で数千人程度の方には利用されているカレンダーです。

このような日柄分析は、色々な種類のものが存在していますが、アストロカレンダーはその名前の通り、天体の運行をベースに計算していますので、何年先であろうが計算だけで求めることが可能です。もともとは1985年~1995年の運行と為替相場との相関を調べてスタートしたものですが、当時も今もその内容には大きな変化はありません。

また同様の分析では期間的な誤差を大きく取るものが多いのですが、私の場合インターバンクディーラーであったことから誤差を1日と短くしていることも特徴的です。特に方向性が示されるドルのBUY/SELLの時間では誤差を8時間にまで極端に縮めていて、他では見ない特徴となっています。

カレンダーだけでは、ある程度分かっている人にしか使えないという面が残りますが、ポイントだけ押さえておけば十分に役立ちます。本日はそのポイントと2019年の特徴について書いていきましょう。

アストロカレンダーのポイント

まず年明け4日から8日のカレンダーです。

一番左(Date)が日付、その次が時間(GMT)です。時間はGMTなので上から3段を、およそ東京市場、欧州市場、NY後場以降の3つの時間帯として見ると使いやすいでしょう。そして、日付がピンク色となっている日が変化日です。それまでのトレンドに変化が出やすいために注意が必要です。年明けは7日の変化日が最初に変化が出やすい日柄ということになります。誤差は前後1日です。

次に、14~16日をご覧ください。

14日が再び変化日です。7日のトレンド変化が再転換する可能性がありますので、注意が必要です。そして右のほうを見るとBUYという文字が並んでいるのが見えますね。この部分は誤差8時間ですから、前後1つずつの区切りを含め、15日欧州市場から17日東京市場まではドル円でドルが買われやすい時間帯であることを示します。

そして、その右横に見えるアスタリスク(*)ですが、このアスタリスクが24時間以内に3つ以上集中している日を変化日(週末の場合は前後)としています。それ以下の場合でも集中している時期には念の為注意しておくとよいでしょう。

他にも見るべきポイントは多いのですが、はじめは変化日とBUY/SELLのトレンドだけ見ておけば十分です。わからないことがあったら、twitter(後述)経由で質問を投げていただければ、回答させていただきます。

2019年の特徴

2019年にはいくつかの特徴が見られます。

(1) すべての天体が順行する時期
地球から見ると太陽と月以外の8つの天体(太陽系の惑星と冥王星)は、星図上を逆に運行する期間がありこれを逆行と呼びます。アストロカレンダーではグレーに着色されている期間がそれにあたります。平均的には2~3個の天体が逆行していて、まったく逆行の無いすべての天体が順行していることは8%程度、また6つ以上の天体が逆行していることは1%程度と珍しい状況と言えます。
2019年は1月7日~3月5日、3月29日~4月10日にすべての天体が順行します。比較的珍しい状況という点と、ひょっとしたら金融市場が正常化しているのはこの時期だけかもしれないという点で注意が必要です。

(2) 変化日が偏在すること
毎年カレンダーを作っているとわかるのですが、2019年は変化日の偏在が多い一年です。1月は7, 14, 18, 21, 25の5日、また9月第1週には2, 4, 6と1日おきに変化日が並び、誤差を考えると週全てが変化週と考えることが出来ます。
いずれのケースでも変化日が多い月や集中している週は変動が大きくなりやすいと考えられますので特に注視したい時期であると言えるでしょう。

(3) 大天体のアスペクト
大天体とは通常木星以遠の惑星を示し、アスペクトとはその天体どうしの角度のことです。2019年の大天体のアスペクトとしては、木星と海王星のスクエア(90度)が3回(1月13日、6月16日、9月21日)ありますが、木星と海王星のアスペクトの場合、それぞれの動きが遅いため、効果は前後1週間程度考える必要があります。木星は拡大、海王星は曖昧、スクエアは凶角と見ますので、どうも成長期待が裏切られるようなイメージが浮かびます。
そして2018年5月に牡牛サイン入りした天王星が逆行で牡羊サインに戻っていますが、2019年3月に改めて牡牛サインに入り、天王星の牡牛サイン時代入りとなります。これは、時代の傾向を示すのですが、良い意味で本物しか残れないといったイメージです。上記のことと合わせて考えると、イリュージョン的なものに期待しても結局は消えていくような感じでしょうか。後に繋がるイメージではあるものの素直に良いとは取れません。
ただ、どちらも中長期の配置ですから、目先の相場に大きな影響が出るものではありません。

一般的な注意事項

日柄は非常に重要な項目ですが、価格的なものと一致した時に最大の効果を発揮します。テクニカル分析を併用することが一番、買われすぎ、売られ過ぎの時の変化日等、うまく組み合わせることが重要です。最後の背中を押してくれる材料と考えて使うといいと思います。

今回のアストロカレンダー、また質問のtwitterはアセンダントの以下のサイトにありますので、そちらからご利用ください。

アストロカレンダー

http://www.ascendant.jp/Astro/

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。また、FXTFでは「ライブラリ」機能のサポートは行っておりませんので予めご了承下さい。ご利用の際はご自身の判断でお願いいたします。

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出来高系指標

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あけましておめでとうございます。
昨年12月は前回から1年以上もの間を空けてMT4の更新が2回ありました。最新版はbuild1170という12月20日版です。今までと何が違うのかですが、一目見て違うのはVirtual Server登録とシグナル配信登録のアイコンが追加されたこと、ただこれらは新機能ではありません。

メタクオーツ社のアナウンスでは、細かなバグの修正と安定化とのみ書かれていますので、これまでの見つかったバグを修正したのみに留まるようです。既に開発はMT5に移っていますので、ある意味ソフトウェアとしての安定性は間違いないところですが、この時期に更新が入って驚かれた方に簡単に説明させていただきました。

出来高系指標

MT4には出来高系指標としてインディケータのボリュームという分類に4つの指標があらかじめ組み込まれています。FXの場合、取引所で取引が行われる株式等と異なり、出来高自体が各業者のものに限られますが、そもそもMT4における出来高というのは、Bid / Askでどのくらい上下に振れたかという値動きを出来高とみなしています。

例として、上昇トレンドが出ているときに多くの参加者がAskをヒットしている状態であれば、出来高も増えるというイメージです。1万通貨でも10万通貨でも同じ1回の値動きとカウントされますので、純粋な意味での出来高とは異なりますが、ある程度代用できると思います。

Volumes

まずは、シンプルなVolumes(ボリューム=出来高)をご覧ください。

ドル円1時間足にVolumesを表示したものです。

こちらは、チャートの下に表示する「出来高の表示」と同じものですが、出来高が増加している時は緑、減少している時は赤と色分けされているため、出来高の増減がわかりやすい指標です。

通常、価格と出来高の関係としては株価が前提となるので出来高の増加は株価の上昇といった説明がされますが、FXの場合は上昇が望ましいというものではないため、出来高が増加している状態、つまり上記のVolumesで緑の状態はトレンドの発生が認められ、Volumesが極端に大きい場合には反転が近い、という考え方がベースとなります。また出来高が減少している状態、Volumesで赤の状態はトレンドからもみあいに向かっているという見方となります。

ただし、出来高という指標それ自体が単独で使うものではないため、必ず他の指標と組み合わせて利用するようにしてください。

Accumulation / Distribution

この出来高を利用したテクニカル指標をひとつだけ紹介しておきましょう。

Accumulation / Distribution(以下、A/D)は、ラリー・ウィリアムズ氏が開発した出来高系の木偶に勝る指標です。直訳するとAccumulation(アキュムレーション)とは蓄積、Distribution(ディストリビューション)とは発散となりますが、アキュムレーションは継続的に買われてエネルギーが蓄積されている状態、ディストリビューションは仕切りの売りが出てエネルギーが発散している状態とされます。

先ほどのチャートにA/Dを表示したものをご覧ください。

通常の読み方としては以下のようになります。

買い:価格が下がっている時にA/Dが上昇
売り:価格が上がっている時にA/Dが下落

簡単に言えば、価格と出来高のダイバージェンスをもって判断するということになりますが、上記のチャートではほぼ価格とA/Dが同じような動きをしていて、ダイバージェンスは見られません。出来高系指標は扱いが難しい面もありますが、知識としては知っておいても良いと思います。

改めて、本年もよろしくお願いいたします。

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。また、FXTFでは「ライブラリ」機能のサポートは行っておりませんので予めご了承下さい。ご利用の際はご自身の判断でお願いいたします。

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フラッシュクラッシュの考え方

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本日はMT4というよりもFX一般のテーマを扱います。
タイトル通りなのですが、複数の方から質問があり、おそらくFXTFのお客様の中でも初心者の方は同様の疑問を持たれるであろうことから、1月3日に起きたフラッシュクラッシュの際の安値はどう考えるべきか、ということについて私の考えることを書きたいと思います。

 

大原則は取引会社での取引レート

まず、皆さんが疑問に思う最大の点はFX業者によって安値が異なる際の安値の考え方です。これが同じフラッシュクラッシュでもNYダウでしたらNY証券取引所で取引されているため参加者全員の安値は同じです。ところがFXの場合、日々のレンジでさえFX業者によって微妙に異なるわけですから、こうした瞬間安値の場合は、取引会社での安値が大原則です。

FXTFのドル円日足で確認すると以下のようなチャートです。

3日安値は104.815ですから、安値は104.815であってそれ以外のレートではありえません。他の業者で安値がもっと低かろうが高かろうがそれはそれ、自身が取引をしている会社のレートが基準です。

トレンドラインはどうするか

これも疑問に感じるところですね。1本だけスパイク状のローソク足があり、異常に下ヒゲが長い足となっています。これはローソク足だとそう感じるでしょうが、欧米のトレーダーの間ではいまだローソク足よりもバーチャートの方がメジャーです。バーチャートで出すとどうなるでしょう。

こうなると、下ヒゲが長いといった以前の問題で安値であることは違いありません。ですからトレンドラインを引く場合でも104.815の安値からラインを引くことが大原則です。

しかし、トレンドラインというのは1本だけという必要はありませんので、3日安値から引くサポートラインの他に4日安値から引くサポートラインがあっても問題は無いのです。それこそザラバのチャートであれば、同じ安値でも複数の安値が存在し、複数のサポートラインを引くというイメージを浮かべやすいと思います。ためしに先ほどのローソク足に戻って2本のサポートラインを引いてみます。

4日安値から引いたサポートラインの方がしっくりきますね。そのサポートと平行に引いたラインとで構成される上昇チャンネルの中での推移という見方で現状よさそうです。

ただし、フィボナッチリトレースメントのような値幅観測では3日の安値を使うべきであることは付記しておきます。

他の考え方

瞬間安値であっても取引会社でついた安値は安値であるということで、これは業者によって取引レートが異なるFXの宿命と思ってください。また手書き(さすがにエクセルでしょうか)でチャートをつける場合には、インターバンクで合意されたレンジを使うという考え方もありますが、実際にインターバンクで取引をするわけではありませんので、これもあまり気にする必要はありません。

ちなみに私は日頃から2枚のチャートをつけています。ひとつはまさにエクセルとチャートソフトを連動させた自分のチャートです。私の場合東京9時~NY17時という日足チャートですが、これは80年代を経験しているインターバンクディーラーならばピンと来るものです。当時は日銀が公式始値というレートを公表していて、それが午前9時以降に最初に取引されたレートであったのです。

そのため、今でも連続性という観点でNY17時~東京午前9時のオセアニアタイムを無視したチャートをつけている人が意外と多く、その考え方で行くと3日の安値は106.748です。以下の1時間足で示した矢印のレートですね。無視される時間帯はラインマーカーで示した時間です。

もし、このフラッシュクラッシュが東京後場であったならば、無視する時間帯には入りませんし、無視する時間帯があっていいのかという疑問には、日経平均株価でも現物と先物では取引時間が違い、どちらも参考にされているという事実がわかりやすい例であると思います。

結論

ということで、結論としては自分の取引している会社の安値が安値であり、それを基準としつつもラインは複数引いてもよい、ということになるでしょう。

なお、上記の午前9時以降のチャートと24時間レンジに乖離があるようなケースでは、東京9時以降にあらためてそのレートをつけにいくことが多いのです。ギャップ埋めのような感じです。であれば、今回の場合、104.815~106.748という安値ゾーンを再びつけに行く可能性が高いということになります。果たして、この先のドル円はもう一度105円割れを見に行くことになるのでしょうか。

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DMI

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本日はMT4標準装備の指標からADX(Average Directional Movement Index)を扱います。通常DMI(Directional Movement Index)と呼ばれ、DMIの中にあるひとつの指標がADXとなります。

 

MT4のADXはローカルルール

ローカルルールと言うとゴルフやゲーム等でよく使われる言葉ですが、一般的には「ある特定の地方、場所、組織、団体、状況などのみで適用されるルール」のことです。

実はMT4に標準装備されているテクニカル指標にはローカルルールのものがあり、MACDにおける表示方法などはひとめ見てわかるので良いのですが、今回紹介するDMIなどは計算式を見ないとどうも他のチャートツールで表示されるものと微妙に違うと感じることとなります。

これは、式が正しい、間違っているという話でもなく、DMIの開発者であるワイルダー氏のオリジナルの計算式のバリエーションと考えた方がよいでしょう。MT4だけでなく各チャートツールに採用されるテクニカル指標にはオリジナルの計算式とは異なったものを意外と見かけるのですが、そうした場合にはそのツールが採用しているテクニカル指標で判断ことで問題ありません。

仮にチャートツールに移動平均線のみが採用されている場合、ひとつは単純移動平均、もうひとつは指数平滑移動平均(EMA)であるとしたら、これはどちらが間違っているというのではなく、それぞれの移動平均でのチャート判断を行うことになるというのと同じです。

どうしてもオリジナルのDMIを使いたい方はネット上にカスタム指標として存在しますが、上記の通りでここではMT4ローカルルールのDMIを使って説明していきます。

DMIとは

DMIとはワイルダー氏が考案した多くの指標の中でも、売買シグナルだけでなくトレンドの強さや過熱感などマーケット全体の状態を示すことが出来る優れたテクニカル指標です。

概要としては前日のレンジと当日のレンジを比較し、当日のレンジが前日に比べて上下どちらに動いたか、またその強弱を指数化したものです。

実際にドル円の1時間足チャートにDMIを示してみましょう。

初期表示から若干変えてあります。+DIが黄緑、-DIが赤、ADXが青となっていて、レベル表示に20と60をグレーの水平線で示してあります。パラメータは14期間です。

まず、DMIの簡単な見方ですが、以下のようになります。

上昇トレンド:+DI(黄緑)>-DI(赤)

下降トレンド;-DI(赤)>+DI(黄緑)

上記チャートでは2月1日、米国雇用統計発表の1本前の足(日本時間21時台)で、上昇トレンドへと転じています。わかりやすく言うならば、+DIのゴールデンクロスが起きています。つまり日本時間では22時の始値が買いシグナルとなります(黄色のラインマーカー)。その後、足にしてわずか1本の-DI>+DIというダマシ(水色のラインマーカー)を挟んで再び、上昇トレンドがチャートの右端まで続いていることとなります。

また強いトレンドを示している状態とは、ADXが最も上位にあることです。

強い上昇トレンド:ADX(青)>+DI(黄緑)>-DI(赤)

強い下降トレンド:ADX(青)>-DI(赤)>+DI(黄緑)

上記の上昇トレンドでは、ほとんどの期間においてADXが最も上位にありますので、雇用統計以降のドル円の買いは強い上昇トレンドであるという判断ができますね。

ADX

ADXの見方はトレンドの強弱であることが、上記の説明からも分かると思いますが、これを利用してトレンドの強弱あるいはもみあいを判断することもできます。

ADXが最も上位にあれば強いトレンドですが、トレンドが弱い状態とは一般的にADXの数値が20以下(あるいは15以下)の場合をいいます。上記チャートで数値が20以下の区間はチャートの中央部分のわずかな区間ですが、その時間帯はトレンドが弱い状態と言えます。

また、ADXが上昇して数値が60以上となった場合、トレンドが過熱し始めていることを示してます。上記チャートでは110円台に乗せたあたりの数値が60以上となっていて、ドル買いが過熱し始めていることがわかり、実際に110円の大台とも重なったこともあり、その後はやや水準を下げています。

もうひとつADXの面白い使い方として、トレンドの有無、つまりトレンド局面なのか、もみあい局面なのかを判断することができます。

トレンド局面:ADXが上昇

もみあい局面:ADXが下降

これは、上昇、下降がかなり多くの場面で見られると思いますが、直近のところではADXの数値が60以上となった後に下げてきていますが、引き続きADX(青)>+DI(黄緑)>-DI(赤)と強い上昇トレンドの最中であることも事実です。つまり上昇トレンドにおいて、一時的にもみあい局面を挟んでいるという読みになります。

さらにADXが最も上位で無くなり、-DI>+DIとなった際には下降トレンドに転じるということになりますが、DMIからはまだそのような状態にはなっていません。

DMIの部分は他のテクニカル指標でも読み取ることが出来る部分ですが、ことADXに関しては他に使い勝手が良い指標はあまり見つかりません。ADXのみを他の指標と組み合わせるという使い方も良いと思います。

ワイルダー氏が開発した指標には、RSI、パラボリック、DMI、ピボットなど誰もが知っている有名指標があり「ワイルダーのテクニカル分析入門」に詳細が書かれています。私がこれまで読んできたテクニカル分析の本の中でもお気に入りの解説書のひとつです。

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ボリンジャーバンドと標準偏差

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今日は満月で今年最も地球に近づきますので、実際に見ても大きく感じることが出来るはずです。あいにく全国的に雨模様のようですから、今夜は見ることが出来なさそうですが、明日でも極端に違いはありませんので、明日の夜にでも見てみると良いかもしれません。

 

ボリンジャーバンドと標準偏差

今回もMT4標準の指標からボリンジャーバンド(Bollinger Bands)と標準偏差(Standard Deviation)を扱います。

ボリンジャーバンドは、通常20期間の単純移動平均(ボリンジャー氏推奨値)の上下に、標準偏差(±2σ)のバンドを表示させるバンド系指標で最も有名なテクニカル指標であると思います。このバンドは±2σですから、過去20本のローソク足終値がバンド内に95.44%含まれるように描かれていることとなります。

つまり値動きが出た場合、標準偏差の値は大きくなりますし、もみあいが続けば標準偏差の値は小さくなります。これはボリンジャーバンドのバンド幅(Band Width)という派生指標で示されますが、MT4では標準偏差そのものでバンド幅の代用が可能です。

今回はボリンジャーバンド(20期間、±2σ)と同じパラメータの標準偏差をサブチャートに表示させて、どのような見方をすることが正しいのかを見ていきましょう。ドル円日足チャートにボリンジャーバンドと標準偏差を表示してみます。

 

具体的な読み方

ボリンジャーバンドでは、バンド幅が小さい状態はもみあいを示し拡大していく状態がトレンドの発生を示しますが、これをわかりやすくするために併用する指標が標準偏差です。これを相場の変遷の3段階として示すと以下のようになります。

(1)スクイーズ(バンド幅が狭い状態)

 スクイーズはもみあいの状態を示します。ボリンジャーバンドに水平のピンクの矢印を付記した期間が典型的なスクイーズですが、スクイーズの判断方法は、過去の標準偏差が相対的に低水準にある水準を探し、それと同程度で標準偏差が横方向あるいはやや下方向に推移している場所を探すとよいでしょう。上記チャートでは低水準と考えられる水準に水色のラインマーカーで着色し、スクイーズの期間に同様に水平のピンクの矢印を付記してあります。

(2)エクスパンション(バンド幅の拡大)

 エクスパンションの目印は、ローソク足終値がバンドを超える状態から始まります。チャート内で黄色のラインマーカーで示したローソク足を見ると、終値がバンドの下側に抜けていることがわかります。そして、そこからバンド幅が拡大していきますが、この状態をエクスパンションと呼び、トレンドが継続中であることを示します。標準偏差を見るとバンド幅の拡大は標準偏差の値が大きくなっていくことで確認できます。ピンクの上向きの矢印で示している期間です。

(3)ボージ(バンド幅最大)

 ボージとはbulge(膨らむ)という単語ですが、ボリンジャーバンドではバンド幅が最大の部分を示します。ボリンジャーバンドだけ見ていると明確に最大幅を示すことは困難ですが、標準偏差を出しておけばそれまで標準偏差の値が大きくなっている状態から小さくなる転換点がボージであることがすぐにわかります。標準偏差の部分を丸で囲み、それに対応するローソク足に向けて緑の矢印を引いてあります。このボージが現れるとトレンドの終了を示しますので、チャートで見るとフラッシュクラッシュの安値から4日後に下降トレンドは終了したという判断ができます。

このように(1)→(2)→(3)と進み、バンド幅の縮小とともに再び(1)に戻る動きが相場の変遷となるわけです。ボリンジャーバンドだけでは主観的な見方になりがちですが、標準偏差をサブチャートで示すことでより客観的な見方をすることが出来るようになります。

 

ビットコインのチャート

もうひとつ例を見てみましょう。ビットコイン円の日足です。

チャート左側にボージがあり、それまでの下降トレンドが終了しています。そして1月11日以降は1か月以上に渡るスクイーズとなっていました。そして黄色のラインマーカーで示した足ですが上側のバンドを上抜けて引けていますので、上昇トレンド発生の初期段階にあると考えることができます。今後、標準偏差が拡大していく動きが出てくれば上昇トレンド継続となりますので、数日はビットコインの動きに注目しているとよさそうです。

標準偏差(Standard Deviation)って何に使うんだろうと思われた方、是非ボリンジャーバンドと組み合わせて使ってみてください。

 

 

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相場と数

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相場と数という曖昧なタイトルではありますが、円相場ひとつ取っても、今年最初の111.11というゾロ目のレートではある程度まとまった売りが出たはずです。これは、初物とゾロ目であるという点がトレーダーに売っておこうという気にさせる理由です。実際にこうした数字にまつわるテーマは相場とは切り離せないものと言えるでしょう。

 

数学的な話となると、金融計算では平方根(√)、対数(log)といった要素は各所で見られます。オプションの計算式で有名なブラック・ショールズ式の基本であるヨーロピアン・コールのオプション価格を求める式には√もlogも含まれています。こうした要素も意外と気付かずに使っていたりするものです。

 

今回はMT4で扱う数字として「比」を取り上げ、それをMT4上で実践する方法を改めてまとめておきたいと思います。

フィボナッチ・リトレースメント

値幅観測において最も使われているツールだと思われますが、フィボナッチ・リトレースメントを初期状態で表示すると以下のような表示(色のみ青に変更)です。

 

これでも良いのですが、別の比を加えたい、その水準のレートを具体的に知りたいという場合にはプロパティを開いて変更します。

 

上記の例では、78.6%と127.2%を追加し、すべての説明の横に” %$”(スペース+パーセント+ドル)を付記しています。この状態で表示してみましょう。

 

表示範囲内では78.6%が追加され、それぞれの水準の横にレートが表示されて見やすくなりました。

0.786というのは0.618の平方根1.272というのは1.618の平方根です。ここでは平方根が登場しましたが、フィボナッチ比にはもともと平方根が内包されています。一例として、2.618の平方根を計算すると1.618となります。そこで、1.618の平方根といった考え方が出てきますが、0.618の平方根である0.786は結構重要で、61.8%戻しを抜けてきた場合のターゲットとして78.6%戻しはよく効くものです。

現在のドル円では昨年高値と年初来安値の78.6%戻しが112.466となっていて、現在のドル円の高値として考えられる水準となっています。

黄金分割比と貴金属比

黄金分割比(黄金比)というのは0.618、1.618といった数字で示され、フィボナッチ数列間の比率として、また建築や美術において美しいと感じる比率というあたりは皆さんもご存じの通りです。

この黄金比は、1.618-0.618=1と逆数との差が1となっていることも見ればわかりますが、このような比を持つ数字を数学では貴金属比と呼び、黄金比はその貴金属比の1番目の比率、第1貴金属数でもあります。では、2番目はというと白銀比という比があります。これは、2.414と0.414でその差が2です。同様に差が3となる比を青銅比と呼び、3.303-0.303=3とその差が整数で示されます。

そして、どの貴金属比も以下の式で示されます。

 (-n+√n2+4)/2

これらの比率が相場で使えるかどうかは、これまで検証している市場参加者が少ないため、何とも言えないのですが、黄金比が比率的な美しさから相場においても使われている面があり、そうであるとするならば貴金属比の中でも白銀費比は使える可能性があります。

もともと白銀比は日本人がバランス的に美しいと感じる比でもあります。我々が普段使う用紙にもっとも使われるA4をはじめ、各種A判とB判がありますが、この規格こそが白銀長方形と呼ばれる白銀比(1:1+√2)す。古くは法隆寺の建築等にも白銀比が見られることから大和比とも呼ばれますが、デザインの分野では現在でも多くのものに利用され、Googleのロゴも白銀比です。

そうであるとすれば、0.414とか2.414といった比率をフィボナッチ・リトレースメントやフィボナッチ・エクスパンションに使うことも悪くないのではと思えます。フィボナッチ・リトレースメントに白銀比の0.414を追加して他と区別するにはプロパティを以下のようにすればよいですね。コメントを付けておけば、後から何だったかもわかります。

ただ、実際に使ってみると0.414は0.382にかなり近いですし、2.414も2.618に近いため、よほどピタリというレートでも無い限り、効いているのかどうかは確認しにくいというのが個人的な感覚です。おそらく、ほとんどの場合0.382に近いという感じになってしまうのでしょうが、発想を変えて0.382を0.414に置き換えるということもありだとは思います。

それ以外の比率

他の比率として貴金属比ではありませんが、比較的有名な比率に白金比というものがあり、こちらは1:1.732となっていて、1.618にかなり近い数字です。フィボナッチ比だけで考えた方が楽ですし説明しやすいとは思いますが、世の中には色々な比率が存在します。何か、面白いかもしれないと思ったらMT4のよいところは柔軟性の高さです。

比率に限らずパラメータにおいても何の数字を使うのか、相場に関わっている限り数との付き合いは続きますが、思いついたらすぐに試してみる、これを繰り返しているうちに大発見があるかもしれません。

 

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MT4でシナリオを立てる

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2017年1月に開始したMT4ブログですが、今回が最終回となります。
最終回は私自身が相場のシナリオを立てる際の手順を紹介します。これは現状どのような立ち位置にいるのかを判断する私にとっては重要な手順で、売買を行う前の事前準備にあたるものです。

 

流れ

大まかな流れとしては以下のようになります。

(1)目立った高値と安値を決める

(2)それらからフィボナッチ・リトレースメントで現在の位置を見る

(3)平行チャンネルを引いてトレンドを確認する

(4)下位時間枠チャートに適用する

ドル円を例に順を追って見ていきましょう。

実際の手順

(1)目立った高値と安値を決める

まず目立った高値安値ですが、これは実際にトレードを行うチャートだけでなく、より上位の時間枠チャートとなる日足あるいは週足から判断します。特に年間の高値、安値には注目しておきましょう。

ドル円では日足チャートを見ますが、ドル円の場合はわかりやすいですね。目立った高値は2018年高値目立った安値は2019年の1月安値となります。

(2)フィボナッチ・リトレースメントで現在の位置を見る

高値114.549から安値104.815に向けてフィボナッチツールでリトレースメントを描画します。長期の足を表示すると実際の高値・安値にうまく引けない時もありますが、そのような場合は、チャートの自動スクロールをオフ(これはすべての描画ツールで操作しやすくなるポイント)にした上で、該当箇所をズームインすると、ほとんどのケースでうまくいくと思います。

以前書いた通り、レートを表示させること、61.8%の平方根である78.6%を追加すること、この2点のみがデフォルトからの変更点です。

黄色のラインマーカーで示した通り、78.6%戻しの112.466は昨年11~12月に何度も試して最終的に下抜けた、重要なサポートでもありました。抜けたサポートはレジスタンスという定石通り、112円台半ばは戻しの限界点となる可能性を考えます。

(3)平行チャンネルを引いてトレンドを確認

チャートを見てもすぐ分かる通り、現在のドル円は上昇トレンドです。上昇トレンドの場合には、安値を複数通るサポートラインとそれに平行に引いたラインで構成される平行チャンネルを引きます

ここでは1月安値の翌日からのサポートラインとそれに平行なラインで上昇チャンネルを表示さらにこのサポートラインと平行なサポートラインでチャンネル内に補助ラインを引いてあります。

このサポートラインと平行チャンネルの上限とで構成される狭い幅のほうの上昇チャンネル内での動きを継続中という判断ができます。そしてレジスタンスは先ほどのフィボナッチ・リトレースメント、サポートは今週月曜時点で111.05、緩やかに上昇中で、目先はこのサポートを下抜けるかどうかが注目点です。

(4)下位時間枠チャートへの適用

MT4の場合、下位の時間枠に変えてもラインはそのまま残りますので、以上のラインを残した上で取引に使う下位の時間枠のチャートに切り替えます。ここでは、1時間足チャートに切り替えてみましょう。

1時間足チャートでは、短期の下降トレンドがありますので、このチャートでは更に高値からの平行下降チャンネルを引きます。そして、現在は一段の下値をトライしようとしている段階にありますので、下降チャンネルを引いて高値を起点としたフィボナッチ・エクスパンションも追加します。

ピンクの点線で示した点線が逆N波動の各点、そしてピンクの水平線がそのターゲットとなるエクスパンションです。執筆時点で何度か試した61.8%エクスパンションを下抜け、サポートラインとほぼ重なる100%エクスパンションを目指す展開と考えられます。

まとめ

およそ、以上のような作業を毎朝行った上で、その日の立ち位置を検討、日中に変化があった場合には新たに検討を加える。このような流れが私の相場分析の基本、第一歩です。

人によって自身の見方が確立するまではなかなかピシッと決まる手法が見つからないかもしれませんが、基本は重要です。今回の考え方はどのような方にも、どの通貨、時間枠にもあてはまると思いますので参考にしていただければ幸いです。

長い間お読みいただきまして、どうもありがとうございました。皆様のトレードの成功をお祈りいたします。

 

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。また、FXTFでは「ライブラリ」機能のサポートは行っておりませんので予めご了承下さい。ご利用の際はご自身の判断でお願いいたします。

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F Xでかかる手数料・スプレッドとは?【始める前の基礎知識】

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FX会社を選ぶ上で、「手数料」は一番最初に考えるべき項目であることは間違いありません。ただ、一概に「手数料」と言っても、様々な種類の「手数料」がありますので注意が必要です。
今回は、全種類の手数料について紹介していきます。

 

■FXの手数料一覧

FXをする際にかかる可能性のある手数料は、以下の一覧の通りです。
・スプレッド
・取引手数料
・入金手数料
・出金手数料
・口座開設費
・口座維持費

一口に「手数料」と言っても、これだけの種類があるということです。
特に気にした方がいいのは、「スプレッド」と「取引手数料」になります。
これらは取引をした分だけ取られる手数料になりますので、何回も取引を行うことが多いFXでは非常に重要な指標となります。
また、「スプレッド」と「取引手数料」のことは知っていても、あとの4種類の手数料は知らないという人は多いかもしれません。
しっかりと全ての手数料についてその存在と特徴を把握しておきましょう。

 

■FXの取引手数料

それでは、FX取引をする際にかかる手数料について見ていきましょう。
先ほどもお伝えしましたが、取引をする時にかかる手数料は「スプレッド」と「取引手数料」の2つになります。
手数料の中でも最重要のものになりますので、しっかりと確認していきましょう。

 

スプレッドとは、ある一時点での買値と売値の差のことを指します。
例えば、ある一時点で米ドルの買値が100円で売値が90円だとしたら、スプレッドは10円ということになります。
つまり、その瞬間に売買したとしたら、10円の損=実質手数料としてFX会社に徴収されるということです。
また、スプレッドは基本的に変動するものなので、ある時点では大きいが、ある時点では小さいということがよく起きます。
しかし、最近では「スプレッドは原則固定」を謳うFX会社も増えてきており、なるべくスプレッドが小さく原則固定なFX会社を利用する方が良いでしょう。
詳しくは「スプレッド比較」の記事をご参考ください。

 

■取引手数料

取引手数料とは、FX取引をする際にかかる手数料のことを指します。
取引額によって取引手数料が変化することが多いですが、最近はそもそも、この取引手数料が無料のFX会社が増えてきました。
取引手数料が無料であるなら、それに越したことはありません。
なるべく取引手数料が無料のFX会社を選ぶようにしましょう。

 

■FXのその他手数料

FX取引を行う上では、スプレッドと取引手数料以外にもかかる手数料がいくつか存在します。
しかし、最近ではこれらの手数料がかかることはほとんどありません。(入金手数料を除く)
なるべくこれらの手数料が無料のFX会社を使うのが推奨であるのと同時に、こういうところで手数料がかかる場合もあるという認識をしておきましょう。

 

■入金手数料

入金手数料とは、入金する際にかかる手数料のことです。
FXをする際には、自分が持っている銀行口座からFX口座へお金を入金する必要があり、その際にどうしても払込手数料などという形で入金手数料がかかります。
なので、正確にはFX会社が入金に対して手数料を取るというわけではなく、自分の持っている口座の銀行が払込手数料として手数料を取るということが多いです。
ですので、ネットバンクなど払込手数料が安い銀行口座を使うことで、この入金手数料は抑えることができます。

 

■出金手数料

出金手数料とは、出金する際にかかる手数料のことです。
具体的には、開設したFX口座に貯まったお金を出金する際にお金がかかります。
出金額によって手数料が変化するパターンが一般的ですが、最近は出金手数料が無料のFX会社が多くなってきました。
なるべく出金手数料が無料なFX会社を選ぶようにしましょう。

 

■口座開設費

口座開設費とは、FX取引するための口座を開設する際にかかる手数料のことです。
最近は口座開設費でお金を取るFX会社はほとんどありません。
むしろ、キャンペーンなどで新規口座開設をするといくらかお金が貰えるパターンが多いです。
口座開設費がかかるようなFX会社はなるべく避けるようにしましょう。

 

■口座維持費

口座維持費とは、FX取引をするための口座を維持するのにかかる手数料のことです。
こちらも口座開設費と同じく、最近はここでお金を取るFX会社はほとんどありません。
ただ、今後大手銀行のように口座維持費として手数料を徴収する可能性がなくはないので、この点にもしっかりと注意してFXをしていきましょう。

 

■手数料・スプレッドが狭いFX会社

各種手数料・スプレッドが狭い会社としておすすめしたいのが、FXTFです。
具体的には、以下の手数料が無料です。
・取引手数料
・出金手数料
・口座開設費
・口座維持費
入金手数料は前述の通りネットバンクなどを利用すればほぼ無料にまで抑えることができますし、スプレッドに関しても以下の通り原則固定で非常に狭いです。
FX会社を選ぶ基準はまず手数料の安さであり、FXTFであれば業界最狭水準でのスプレッドで取引することができます。
詳しくは「おすすめのF X会社」と「F X T Fの評判」の記事でご紹介していますので、合わせてご参考ください。

 

■FXのスプレッドのポイント

スプレッドは、ただ小さければ良いというものではありません。
もちろん、スプレッドは小さければ小さいほど良いですが、それ以外にも確認するべき点があります。
最後に、スプレッドについてもう少し深掘りして説明していきます。

 

■スプレッドの算出方法

スプレッドの数値を鵜呑みにしてはいけません。
必ず、そのスプレッドの算出方法を確認しておきましょう。
算出方法を確認するとは、その数値が「ある期間の平均値」なのか「ある期間の最大値」なのか「ある期間の最小値」なのか確認しておくということです。
最大値を公表することはあまりないですが、平均値なのか最小値なのかでその数値が持つ意味合いは大きく変わってきます。
前述の通り、スプレッドとは基本的に変動するものであり、一定の値になることはありません。
原則固定であればあまり気にすることはありませんが、「原則」という言葉の通り、相場が急変した時にはスプレッドを固定しきれない場合があるのです。
FX会社が出しているスプレッドの数値だけに捉われることなく、その数値はどうやって算出されているのかまで確認しておきましょう。

 

■約定力の大きさ

スプレッドの幅について考える際は、約定力の大きさも考える必要があるでしょう。
約定力が小さいと、約定したい時に約定することができなかったりして、思わぬ損失を生むことがあります。
相場が急変している時ほど、スプレッドの変動は大きくなりますし、約定しづらくなってきます。
約定力が小さいFX会社を選んでしまうと、相場の急変時に一瞬のタイムロスで大損害を被ってしまうことがあり得ますので、できるだけ約定力は高いFX会社を選ぶのが無難でしょう。
例えスプレッドが原則固定であっても、相場の急変時には固定解除されてしまいますので、やはり約定力というのは大切になってきます。

 

■FXの手数料・スプレッドまとめ

F Xをする上で、スプレッドは非常に重要な要素であることがわかりました。
不利な取引にならないよう、スプレッドが小さく、約定力の高いF X会社を使うようにしましょう。

 

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。

相場の本質を捉えたライントレードの基礎<水平線編>

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FXトレーダーとして成長していく上で、必ずといっていいほど聞く言葉が「相場の本質」です。
しかし、トレード手法のみに固執していたり、自分なりの手法を確立していたりする人からすると、「学ぶ必要はない」と結論づける方も少なくないと思います。

しかし、「チャートが形成される原理・原則はなんですか?」という問いに答えることができる方はどれだけいるでしょうか?
FXだけでなく、物事を解決していく上で重要なのは、この“原理原則”を自分自身に落とし込んでおくことです。
今回は、“相場の本質(原理原則)”を知っていただいた上で、これに基づくトレードとして知られるライントレードの基礎について説明していきたいと思います。

 

相場の本質とは?

結論から言えば相場の本質、つまりチャートを形成する原理は“人間の心理=多数決”です。
これだけ聞くと、「当たり前すぎる」と思ってしまいますよね?

しかし、これがFXで最も難しい点である「数値上、過去データへの依存が見えづらい」という課題を作り出す一番の要因になっているのも事実です。
“現在の相場が過去チャートと全く一緒の挙動をする”と言うことは、FXにおいてほぼあり得ません。
理由は、トレードをしているトレーダーの感情が過去と全く一緒ということはないからです。
この理由から、本質を理解せずに相場分析やトレードを行っているトレーダーは以下のような負けパターンに陥ることが多いと言えます。

STEP1 インジケータを駆使したトレード手法をなんとか生み出す
STEP2 勝てる時もあるが、その分負ける
STEP3 さらに確度の高い手法を見つけようと試行錯誤
STEP4 手法が複雑になりすぎて、エントリータイミングがわからなくなる
STEP5 自分の手法に自信が持てなくなり、よくわからないところでトレードをして負ける

(a)相場の本質            (b)インジケータ例
 

これはFX(投資)というものを完全にブラックボックス化してしまっていることが原因です。
トレードをする目的(=ゴール)は、“資産を増やすこと”ですが、この目的を達成するためには、投資という分野で稼ぐスキルを身につける必要があります。

では、「上記STEPで示した勝てるトレード手法を見つける」という作業は、投資で稼ぐスキルの1つですが、これだけでは稼ぐスキルになりません。
加えて、手法を見つける、ないし磨くという作業は、上級者が行うことです。
したがって、上記目的を達成するために、まず初めに取り組むべきはFXという分野を理解する、すなわち相場の本質を知ることと言えます。

 

心理を考慮した相場分析の基礎

本質を捉えて相場を分析する上で、最もわかりやすのは“レンジ相場”です。
このチャートに示すような相場では、売買の多数決がなかなか決まらず、レジスタンスラインとサポートラインから成る一定の値幅間で値動きをします。

 

レジサポラインを用いた相場分析

このチャートをもとに“相場の本質”を考慮した相場分析をしてみましょう。
このような相場でレジサポラインを用いると、以下の3つのパターンを想定することができます。

ここで、これらのパターンとトレーダーの心理を合わせて分析してみます。

(1)逆張りを狙いたいトレーダー ⇨ 多数の場合、レンジ相場継続
   心理:レジサポラインでエントリー・決済をしたいからレンジ相場は絶好の相場状況

(2)順張りを狙いたいトレーダー ⇨ 多数の場合、レンジブレイク
   心理:レンジから抜け出したタイミングでエントリーしたいからレンジ相場では待機

これら2パターンのトレーダーの多数決により、相場の状況が決まります。
そして、ここまでの分析はたった2本の水平線により行うことができていることにお気づきでしょうか?
このように相場にラインを引いて相場分析、トレードをしていくのがライントレードです。
本質を捉えるだけで、今まで複雑になっていた相場分析を簡単化でき、この後のトレード方針に高い根拠を持つことができるというのが、このトレード最大のメリットになります。

(a)レンジ相場継続    (b)レンジブレイク:下降  (c)レンジブレイク:上昇

 

レジサポラインをトレード方針

続いては、レジサポラインに基づく順張りトレードの方針について紹介します。
レンジ相場が継続した場合の逆張り手法については、ここで紹介せずともトレーダーの皆さんは理解されている方が多いと思いますので、今回は省略します。

まずはレンジブレイクが起こった際、相場がどのような状況になるのか考えてみましょう。
順張りのトレーダーが多数となった場合、レンジブレイクが発生しますが、そのまま下降することはほとんどありません。
理由は、逆張りトレーダーの損切りラインが存在するからです。
(a)のチャートに示すように、「多くの逆張りトレーダーが直近の安値に設定していた相場状況」について考えていきます。
また、順張りでショートを狙うトレーダーの多数決が確実に決まらないと、少しレンジをブレイクしただけで再度上昇してしまう、いわゆる騙しが発生します。

続いての相場状況として、
(b)「チャートに示すように確実にレンジブレイクが起こった際の相場状況」について考えていきます。
逆張りトレーダーの損切りによる上昇の後、順張りのトレーダーが多数となった際には(b)チャートに示すように、サポートラインを基準に下落していることが確認できます(③参照)。
さらにこの後、③地点で順張りしたトレーダーたちの利確分による上昇後(④参照)、再度、サポートラインを基準にして、③の際より大きく下落が起きています。
この相場の動きから、以下の2点に改めて気づくことができます。
(1)相場がトレーダーの多数決で動いている
(2)チャートの形状からトレーダーの考えを予測できる

(a)レンジブレイク直後の相場解説    (b)確実にレンジブレイクした後の相場解説
  

特に(b)チャートに示すように、レンジ相場におけるサポートラインは、レンジブレイク後にはレジスタンスラインに転換しており、順張りトレーダーが意識するラインとなっていることが、上記2点を裏付ける根拠となります。

ラインを使ったトレードは奥が深く難しいですが、このトレードを自分のものにできた際には、今までのインジケータを用いたトレード手法の確度が非常に高くなると思います。
まずは本質を捉えて上で、改めて相場を見直してみましょう。

短期トレードをするならスプレッドが小さいFXTFがおすすめ。
詳しくは「FXTFの評判記事」や「おすすめFX会社」の紹介記事をご参考ください。

 

本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、ゴールデンウェイ・ジャパン(株)の見解、分析ではございません。
 

「ポジポジ病」を防止する特攻薬!“エリオット波動”の基礎

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「ポジポジ病」を防止する特攻薬!“エリオット波動”の基礎

「順張り」、「逆張り」という言葉を聞いたことがあると思います。
初心者の方であればあるほど、これらの方法に対しルールを設けておらず、チャートを見ているとなんとなくポジションを持ちたくなってしまうことが多いのではないでしょうか?
こうしたいわゆるポジポジ病の原因は、「仕掛けのシグナルが出た」といった場合や、「テクニカルで有効なポイントだった」等、「その時点」、「その瞬間」の状態によって判断していることが多く、後になってよくチャートを見てみると、意味のないところで「ポジションを取ろう」と思ってしまっていることによるものです。
「自分の資産」を増やすという本来の目的を実現するためには、できるだけ早めに「ポジポジ病」から脱出する必要があります。
今回紹介する“エリオット波動”は、まさにこのポジポジ病の特効薬になる理論です。
「波動理論」を理解し、「トレンド」をいかにつかむかを知って、トレンドにのっかる「トレンドフォロワー」になること、正確な意味での「順張り」「逆張り」のポジションを持つことによって、「ポジポジ病」や「初心者レベル」から脱出しましょう。

 

エリオット波動って何?
R.N.エリオット(1871-1948)が1939年にフィナンシャル・ワールド誌で連載された論文で波動理論について説明していますが、とても難解であったことから1978年にA.J.フロスターとR.プレクターにより「エリオットの波動原理」とされています。
エリオットは以下のように解説されています。
「相場は、ひとつの基本的リズム、すなわち、5つの上昇波と3つの下降波で、都合、8つの波となり、ひとつの周期をつくるパターンに従って展開する」
この短い言葉が重要で、とても奥が深い理由となっています。
こちらの図が上記解説を図にしたもので、このイメージを持っておくことだけでもトレードの助けになります。
まずは、この波動理論とトレード内容を合わせて解説しますので、頭の中で整理して理解していきましょう。

(1)第1波(①)では上昇はゆっくりだが、戻し(②)の下降は早い
(2)上昇1波(①)のあと、戻し(②)の下降が始まったら、折り返しの第2波(③)の上昇にあわせたトレードを考えられる。
(3)第2波の戻し(④)の下降に入ると、次の第3波の上昇で上昇波は収まることが予想できる。
その後、下降の第1波()が始まることが予想されるため、ロングエントリーは用心し、ポジションを利食ったり、クローズをしたりする。
(4)下降の第1波()の戻し()が入ったら、下降第2波()でのショートエントリーを想定する。
(5)合計8波動が終わったら、次の流れがどうなるか、最初の1波を待つ。

 

波動理論に基づく「順張り」・「逆張り」
このエリオット波動を見ると初心者的な理解であっても、多くのトレードに対する備えを得ることができます。
しかし、この流れがわかっていてもその時々のルールで取引してしまっていては継続的に利益を上げることはできませんので、まずはこのような相場に対して、「順張り」でトレードするのか、「逆張り」でトレードするのかを決めておくことが重要です。

そこでまず初めに、「順張り」・「逆張り」の意味を改めて理解するために、エリオット波動に対するこれらのトレード方法を説明していきます。

 

【順張り】
上昇トレンドのなかで買いポジション、下降トレンドの時に売りポジションを持つことです。
つまり、うまく相場の流れに乗って利益を出す方法になります。
波動論でいえば、上昇の5波動の間で買いポジションを持つこと。下降3波動の間で売りポジションを持つことです。
順張りの考えは非常に重要なのでしっかり復習しておきましょう!

 

【逆張り】
「下がっているのに買う」とか、「上がっているのに売る」と勘違いしている人が多いですが、そうではありません。
「上昇5波の時に発生する下向きの波で買い」、「下降3波の時に発生するうえ向きの波で売る」ということです。
今まで逆張りを狙っていた方も、このような相場で逆張りすることがいかに危険かというイメージを持っていただけたのではないでしょうか。
また、今までと同様にこれからも下降トレンドで買ったり、上昇トレンドで売ったりするのは、単に相場からの退場が待っているだけですので控えましょう。

 

まとめ
今まで相場の流れを把握せずに、やみくもなトレードをしていた方は、波動論と合わせることで、やるべきこと、やってはいけないことがはっきりしたのではないでしょうか。
エリオット波動に限らず、相場の流れや周期を分析するまではいかなくても知っておくだけで、負けを大幅に減らせるというくらい重要なことです。
こうした、波動の流れに沿ったトレードを「トレンドフォロー」と言います。
専業トレーダーの多くは、このトレンドフォローによるトレードを極め、いかに安全に取引をしていくかというところに注力して日々検証を行なっていると聞きます。
エリオット波動の理解は、相場の安全地帯や、持つべきポジションの方向性を教えてくれる大事な基礎知識の1つです。
波動理論と聞くと、「難しそうだから手を出しづらい」と思う方もいるかと思いますが、基礎の基礎を理解しておくだけでも相場の見方が変わります。
また、この上昇5波+下降3波=合計(都合)8波、という波の数は、初心者を超えて、中級から上級になる際に必須の知識となります。
インプットした知識を相場に照らし合わせて、自身のトレードスキルを向上させていきましょう!

参考)
FXTFの口座開設方法を徹底解説!開設の流れと必要な書類は?
【最強】初心者におすすめなFX会社比較&ランキング!口座開設すべきはどこ?

 

本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、ゴールデンウェイ・ジャパン(株)の見解、分析ではございません。

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